多くの女性を悩ます「便秘」が、妊娠しやすさに影響することをご存じですか?
便秘で腸が汚れていると、妊活に良い食事やサプリメントをとっていても、吸収が悪くなり、効果が半減するのが大きな原因です。
妊活中は、腸内環境を整えて、便秘をしないように気をつけることが大切。でも、妊活のプレッシャーやストレスでおなかの調子が悪くなったり、不妊治療の薬やホルモン剤の影響を受けたりして、今まで以上に便秘がひどくなる人も多いようです。
そこで今回は、毎日の食事や習慣で、腸内環境を整えて便秘を改善する方法をみていきましょう。
お腹がスッキリすると気分も良くなるので、前向きに妊活に取り組めるようになりますよ!
妊活と一緒に、腸をキレイにする腸活もはじめてみませんか?
妊娠と腸内環境の関係とは
はじめに、腸内環境とはどのようなもので、妊娠と腸内環境はなぜ関係があるのかを説明しまてみましょう。
腸内環境ってなに?
腸内環境とは、おもに大腸内部にいる菌の状態をいいます。
腸内には、無数の腸内細菌が、腸の壁を覆いつくすように集まっていて、その様子を「腸内フローラ」と呼びます。
腸内フローラには、善玉菌、悪玉菌、どちらでもない日和見菌など、さまざまな菌が住み着いています。「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合になるのが理想的で、腸内環境が良い状態です。悪玉菌の割合が多くなるほど、腸内環境は悪い状態ということです。
腸内環境は、食生活だけでなく、生活習慣やストレス、ホルモン、加齢などの影響を受けて、簡単に乱れて悪くなります。悪化すると、便秘や下痢、冷え、むくみ、肥満、アレルギー症状、イライラなどの不調が出やすくなります。
腸内環境を良い状態にするには、お腹の調子や体調をみながら、生活全般を整えることが重要です。
なぜ女性は便秘になりやすいの?
便秘とは、スッキリとお通じが出ない状態をいいますが、医学的には「排便が2~3日に1回程度あり、なかなか便が出ない、便が出なくて苦しいといった自覚症状がある場合」とされています。
女性は男性と比べて2倍以上便秘になりやすいといわれます。その理由は、骨盤が開きやすく腸のまわりの筋肉がゆるみやすい、腹筋が弱い、ホルモンの影響やストレスを受けやすい、ダイエットで食事量が少ないなどが挙げられます。恥ずかしさから、外出先で便意を我慢することも、便秘が習慣化する原因になります。
便秘が不妊の原因になる理由
なぜ、便秘は不妊の原因になるのか、その理由は5つ挙げられます。それぞれについて詳しく説明します。
①栄養の吸収が悪くなる
腸は、食べ物を消化吸収する働きがあります。妊活のために、栄養豊富な食事やサプリメントを一生懸命とっていても、腸内環境が悪く、便秘が続いていると、大切な栄養が吸収されづらくなり、うまく活用できません。
妊活には、さまざまな栄養素が必要になるため、栄養を吸収する腸の環境を整えることはとても大切です。
②体内に老廃物がたまる
便秘で腸に不要な老廃物がたまっていると、腸内で悪い働きをする「悪玉菌」が増えて、有害なガスを発生します。ガスの毒素が腸から吸収されて、血管を通って全身に送られると、卵子の質低下に影響します。
ひどい便秘では、便がつまった腸が、近い場所にある子宮や卵巣、卵管など妊娠のための大切な臓器を圧迫して、生殖機能の働きが悪くなります。
③冷え性・生理痛になる
④免疫力低下で体調を崩しやすくなる
体の抵抗力を高める「免疫細胞」は、腸内で作られます。腸内環境が悪く、腸の働きが悪いと、免疫細胞がうまく作られなくなり、免疫力が低下します。
体調を崩しやすくなり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるので、妊活を滞らせる原因になります。アレルギー症状も出やすくなるので、花粉症やアトピー性皮膚炎などが悪化することも。
⑤気分が晴れず元気が出ない
腸は、脳や自律神経と密接にかかわっていて、状態によって、精神面に影響を与えます。
便秘が慢性化すると、腸で作られるホルモンの「セロトニン」の分泌が悪くなったり、自律神経が乱れやすくなったりします。その影響で、気分が落ち込みやすくなり、妊活に対して前向きな気持ちや、やる気が持てなくなってしまうかもしれません。
腸内環境を整えて便秘を防ぐ7つの食習慣
便秘はいつものことだからあまり気にならないという方でも、妊娠を目指すなら、ぜひ、早めに対策を始めましょう。
腸内環境を整えて便秘を防ぐために行いたい7つの食習慣をみていきましょう。
水分をとる
朝、起きたらすぐにコップ1杯の水を飲みましょう。
腸が刺激され、排便をうながすぜん動運動が起こりやすくなります。冷たい水ではなく、常温か人肌くらいの温度の水を飲むのがいいでしょう。
がんこな便秘の方は、ミネラルを多く含む硬水のミネラルウォーターがおすすめ!便をやわらかくする効果があるので、試してみて下さい。
日中もこまめに水分補給をしましょう。
水分をとる量は、飲み物で1日1.5リットル程度を目安に。汗をかく時期や運動をしたときは、2リットル以上を目安に、しっかり水分補給を行います。
朝食を食べる
朝食はなるべく欠かさず食べましょう。朝食をとると、腸が刺激されて、食後にお通じが起こりやすくなります。
食欲がわかない方や、時間の無い方は、野菜ジュース、ヨーグルト、果物など、手軽にとれるものを利用して下さい。
野菜入りの味噌汁やポタージュスープなど温かいものを食べると、消化管が温まり、腸の働きがよくなるので、よりスッキリ効果が期待できます。
妊活中はタンパク質をしっかり摂りたいので、卵や豆腐、ハム、ツナなど、タンパク質を多く含む食品も一緒にとるようにしましょう。
食物繊維をとる
野菜や海藻などに豊富な食物繊維をしっかりとりましょう。
食物繊維には2種類あり、水に溶けない不溶性食物繊維は、便のカサを増やして腸のぜん動運動を活発にする作用があります。
水に溶ける水溶性食物繊維は、水を含んでゲル状になり、腸壁の老廃物を落とし、腸内で良い働きをする「善玉菌」を増やす作用があります。
「不溶性2:水溶性1」の割合でとるのが理想的です。不溶性食物繊維が多いきのこ類、葉物野菜、豆類などと、水溶性食物繊維が多い海藻類やなめこ、オクラなどのネバネバ食材を、どちらもバランスよくとるようにしましょう。
発酵食品をとる
ヨーグルトや納豆などの発酵食品を積極的にとりましょう。
発酵食品に含まれる乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。
植物性と動物性の2種類があり、植物性乳酸菌は、生きたまま腸に届きやすいのが特徴です。日本古来の発酵食品である納豆や麹、ぬか漬けなどに含まれています。
動物性乳酸菌は、ヨーグルトに含まれていて、腸に刺激を与え、働きを活発にしてくれます。ヨーグルトの乳酸菌はいろいろな種類があるので、自分に合うものを見つけて、続けて食べるのが効果的です。1日の摂取量は200gまでを目安に。プレーンヨーグルトにはちみつやオリゴ糖を加える食べ方がおすすめです。
オリゴ糖で善玉菌を増やす
発酵食品と一緒にオリゴ糖を含む食品をとりましょう。
オリゴ糖は、腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やして、悪玉菌の増殖を抑える働きがあるので、腸内環境を整える効果が高まります。
甘味料として市販されているほか、野菜や果物、大豆、はちみつなどの食品にも含まれています。
良質な油をとる
良質な油を適量とりましょう。
油は、腸の潤滑油になり、便をスムーズに出したり、柔らかくしたりする作用があります。
オリーブオイルやアマニ油など良質な油を、1日あたり大さじ1杯程度を目安に加熱せずにそのままとると効果的です。ドレッシングとしてサラダにかけたり、納豆や和え物に混ぜたりしてとるといいでしょう。
油脂に含まれるコレステロールは、ホルモンの材料になるので、妊活にも役立ちます。
食品添加物を避ける
保存料や着色料などの食品添加物を多く含む食品をとり過ぎないようにしましょう。
食品添加物は、腸内の悪玉菌を増やして、腸内環境を悪化させる可能性があります。さらに、活性酸素を発生させる原因になるので、体の酸化が進み卵子の老化につながります。
食品添加物の多いインスタント食品や加工食品は食べすぎないようにして下さい。
腸の働きに良いものを取り入れるだけでなく、腸に悪い影響を与えるものを体に入れないように気をつけることも意識しましょう。
便秘予防には生活習慣の改善も大切!
便秘の予防や解消には、腸に良い食習慣を心がけることが大切ですが、運動や睡眠、入浴など、生活習慣を改善することも同じくらい大切です。妊娠しやすい体を目指すためにも、良い生活習慣を身に着けることは非常に役立ちます。
適度な運動をする
ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなどの運動を少しずつでも行いましょう。
軽めの運動は、お腹まわりの筋肉を刺激して、便を押し出すぜん動運動を促す効果があります。運動が苦手な方は、姿勢を正して早歩きをしたり、お腹を使った複式呼吸をしたりするだけでも、腸の動きを活発にして、腹部のマッサージ効果があるので、便秘改善に役立ちます。
日常生活でも、階段を使う、電車で立つなど工夫して、体を動かす習慣を持ちましょう。
生活リズムを整える
生活リズムが乱れていると、排便のタイミングも乱れて、便秘になりやすいでしょう。
朝は、余裕をもって起きて、コップ1杯の水を飲み、朝食をとったら、トイレに5分ほど座ります。便意が無くても、トイレのための時間を持つことで、お通じが出やすくなります。
夕食は寝る3時間前までにすませ、腸が活発に働きだす24時までに、ベッドに入るのが理想的です。
入浴して体を温める
おふろに入って、おなかを温めると腸の働きが良くなり、便秘解消に効果があります。
38~40度のぬるめのお湯に15分ほどつかると、おなかがしっかり温まり、腸の働きが良くなります。全身の代謝や体温が上がるので、妊活の大敵である冷えも解消できます。
おふろに入るタイミングは、就寝の1時間前がベスト。ぐっすりと安眠できるでしょう。
リラックスタイムを持つ
1日のなかで、リラックスできる時間を持ちましょう。腸は、緊張が続くと動きが悪くなります。体の力が抜けてリラックスすると、副交感神経が働き、おなかの動きが良くなります。
寝る前に、ゆったりとした音楽を聴きながら、ハーブティを飲むなど、ホッと一息ついて心を癒す時間を意識的に作るといいですね。
「不妊の原因が便秘?!妊娠と腸内環境の関係」まとめ
今回は、妊娠と腸内環境の関係と、便秘を解消する方法についてみてきました。
ご紹介した便秘を防ぐ7つの食習慣のなかで、すぐにできそうなことはありましたか?
- 水分をとる
- 朝食を食べる
- 食物繊維をとる
- 発酵食品をとる
- オリゴ糖で善玉菌を増やす
- 良質の油をとる
- 食品添加物を避ける
便秘のお悩みがない方でも、腸内環境を整えることで、妊娠しやすい体づくりにつながりますので、ぜひ、取り入れてみて下さいね!
腸をキレイにする腸活で、心も体もスッキリ元気になって、スムーズに妊活を進めていきましょう。