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妊娠しやすい体質をつくる「栄養バランスのよい献立」【管理栄養士 監修】

妊娠しやすい体質になるためには「バランスのよい献立」を意識して、妊娠に必要な栄養をしっかりとることが大切です。

でも、妊活世代の女性は、忙しくて朝食が食べられなかったり、ダイエットでエネルギーや栄養素が不足したりと、バランスが乱れがち。栄養バランスの乱れは、さまざまな不調や病気を引き起こす原因になり、妊娠を遠ざけてしまいます。

妊活をはじめたら、「バランスのよい献立」とはどのようなものかを知り、実践していきましょう。

そこで、今回は、毎日の食事をバランス良く整える簡単な方法を解説します。

栄養計算などむずかしいことは一切しないので、今日からすぐに始められますよ。妊娠しやすい体質づくりに役立つ食事の知恵として、ぜひ参考にしてくださいね。

「バランスのよい献立」の基本
~主食・主菜・副菜をそろえよう~

バランスのよい献立」とは、必要なエネルギーと栄養素を過不足なくとれる食事のことです。

バランスのよい献立にするための簡単な方法は、食事のときに「主食・主菜・副菜」の3つをそろえるというものです。1食をこの形に整えるだけで、色々な種類の食材がとれて、自然に栄養バランスが良くなります。

主食・主菜・副菜ってどんなもの?

「主食・主菜・副菜」とは、日本人の食事に合ったバランスのよい献立の基本型です。国が推奨している「食生活指針」でも、食事のバランスをとる方法として取り上げられています。

3つの料理を組み合わせる基本型を覚えておくと、どこででも、一目で過不足がわかり大変便利です。

主食・主菜・副菜」と、不足を補うためにプラスする「果物、乳製品」について、それぞれの種類と役割、適量の目安をみていきましょう。

「主食」とは?エネルギーのもとになるもの

主食」は、ごはんやパン、めん類、もちなどで、炭水化物(糖質)が主成分になっています。おもに体を動かすためのエネルギー源になる役割があります。

妊娠に必要なエネルギーをしっかりとるために、毎食欠かさず食べましょう。

不足すると、疲れやすくなったり、集中力が低下したりすることがあります。ただし、多すぎるとエネルギー過剰による肥満や、血糖値上昇による糖尿病などの原因になるので、適量を心がけましょう。

白ごはん/炊き込みごはん/チャーハン/オムライス/食パン/ロールパン/ピザ/うどん/そば/ラーメン/スパゲティ/もち

主食の適量は、ごはん(中盛り)1杯、うどん1玉、食パン(6枚切り)1枚半程度です。1食に1品をとりましょう。

「主菜」とは?体をつくる材料になるもの

主菜」は、肉、魚、卵、大豆・大豆製品を使ったメインのおかずで、タンパク質が主成分になっています。

タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚など、体をつくる材料になり、妊活中に一番大切な栄養素です。

肉や魚には、タンパク質のほか、脂質や鉄も豊富です。脂質は細胞やホルモンの材料になり、鉄は子宮の環境を整えて貧血を予防するので、どちらも妊活に不可欠です。不足すると、筋肉量の低下、疲れやすさ、貧血などの原因になります。

ただし、脂質の多い肉をとりすぎると、肥満や脂質の代謝異常につながるので、魚料理や豆腐料理も上手に組み合わせましょう。

ステーキ/豚肉のしょうが焼き/照り焼きチキン/焼き魚/刺身/タラのムニエル/オムレツ/かに玉/麻婆豆腐/肉豆腐

主菜の適量は、鶏モモ肉1/2枚・魚切り身1切れ・卵1~2個・豆腐1/3丁程度です。肉、魚、卵、大豆料理から、1食に1皿をとりましょう。

「副菜」とは?体調を整えるもの

副菜」は、野菜、きのこ類、海藻、いも類などを使った小鉢やサラダなどのおかずです。おもに、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が含まれ、体の調子を整える役割があります。

副菜で、葉物野菜や緑黄色野菜、海藻類などをしっかり食べて、妊活中に必要な葉酸やビタミン類、食物繊維を十分にとるようにしましょう。

不足すると、肌トラブル、疲れやすい、貧血、便秘などの不調が出やすくなるほか、妊娠初期の胎児の発育に影響することがあります。

ただし、野菜ばかりをとりすぎると、ほかの食品を十分に食べられなくなり、タンパク質や脂質が不足して、栄養バランスの崩れにつながります。

ほうれんそうのお浸し/きゅうりの酢の物/切り干し大根/サラダ/ナムル/野菜ソテー/具だくさんのみそ汁

副菜の適量は、1食あたり野菜100~120g以上です。野菜が中心のおかずを1食に2品以上とりましょう。

「果物・乳製品」とは?不足を補うもの

果物・乳製品」は、食事だけでは不足しやすい栄養素を補う役割があります。

果物や、牛乳、ヨーグルト、チーズなどを、デザートや間食にとることで、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどの栄養素が補えます。

ビタミンCは、活性酸素を除去して細胞の酸化を防ぎ、卵子の老化予防が期待できますし、カルシウムはじょうぶな歯や骨を作るために必要です。不足すると、免疫力の低下、ストレスに弱くなる、イライラするなどの不調が出やすくなります。

ただし、果物はとりすぎると、肥満や血糖値上昇による糖尿病の原因になるので、食べすぎは気をつけましょう。

りんご/みかん/バナナ/桃/ぶどう/牛乳/ヨーグルト/チーズ/生クリーム

果物の適量は、1日あたり200g程度(みかんなら2個、りんごなら1個)をとりましょう。目安は、片方の手の平にのる程度の量です。乳製品は、1日あたり牛乳1本(200ml)、または、スライスチーズ2枚、または、ヨーグルト小2パック程度が適量です。

妊娠しやすい 献立

「主食・主菜・副菜」組み合わせ方のルール

「主食・主菜・副菜」をそろえてバランスのよい献立を作るために、組み合わせ方の基本ルールを覚えておきましょう。

主食、主菜、副菜の順に献立を決めよう

主食を決める

はじめに、食事の中心となるごはんやパン、麺などの「主食」を何にするかを決めましょう。

白ごはんを、雑穀米や玄米ごはんにしたり、パンやパスタを、ライ麦パンや全粒粉パスタにしたりと、未精製のものを選ぶと、炭水化物に加えて、食物繊維やビタミン類もとれ、バランスがより良くなります。

主菜(メインのおかず)を決める

次に、メインのおかずとなる「主菜」を決めましょう。

主食に合わせて、肉、魚、卵、大豆製品(豆腐)の中から、使いたい材料を選び、調理法や味付けを考えましょう。

肉料理が多くなりやすいので、1日3回の食事のうち、1~2回は、魚や卵、豆腐などを使った料理にしましょう。また、から揚げやとんかつなどの揚げものや、肉野菜炒めなど、油を多く使う料理は、1日1品までにしましょう。

副菜(サイドのおかず)を組み合わせる

「主菜」が決まったら、材料や調理法、味付けが重ならないように、「副菜」を組み合わせましょう。色々な食材を組み合わせることで、栄養のバランスが整います。

また、煮る、焼く、炒める、揚げるなど、できるだけ違う調理法を組み合わることで、脂質のとり過ぎを防ぎながら、バラエティに富んだ飽きない献立になります。さらに、具だくさんのスープやみそ汁などの汁物を足すことで、野菜の栄養のほか、ミネラル類や水分も補えます。

量のバランスも考えて適量を守る

「主食・主菜・副菜」を上手に組み合わせたら、最後に、量のバランスがとれているかを確認しましょう。

最適な量のバランスは、主食を1品、主菜を1品、副菜を2品です。

主食のごはんを2杯以上食べたり、副菜が1品しかなかったりすると、栄養素の過不足が起こり、1食のバランスが悪くなってしまいます。適量を守って食べるようにしてください。

外食・中食でも「主食・主菜・副菜」の組み合わせを

外食をするときや、市販のお弁当、総菜などを買って食べる中食をするときは、どのようにバランスを考えたらいいでしょうか?

この場合も、「主食・主菜・副菜」の組み合わせを当てはめることで、バランスのよい献立にすることができます。

外食を選ぶときのヒント

外食では、うどんや丼ぶりものなどの単品メニューより、定食を選ぶと、「主食・主菜・副菜」を揃えやすく、バランスが良くなります。主菜にタンパク質が足りない場合は、冷ややっこや納豆などの大豆製品をプラスすれば、不足分を補えます。

また、揚げ物や炒めものなどカロリーが高いものを食べるときは、副菜は油を使っていないものを選び、ごはんの量を少なめにして、カロリーコントロールをしましょう。

外食で多いうどん、そば、ラーメンなどのめん類は、炭水化物が多くなり、タンパク質や野菜が不足しやすいメニューです。卵、肉、野菜などが入ったなべ焼きうどんや五目麺など具だくさんのものを選ぶか、野菜や肉などのおかずを追加で注文しましょう。

お弁当・総菜を選ぶときのヒント

市販のお弁当は、主食のごはんが多くて、副菜の野菜が少ないものがほとんどです。

そのため、お弁当を選ぶときは、主菜の肉や魚などタンパク質が十分にとれるものかを見極めたうえで、野菜の和え物や酢の物、サラダなどを1品買い足しましょう。

ごはんの量が多すぎる場合は、もったいないですが、少し残しましょう。

市販の惣菜を買うときは、タンパク質が中心の主菜(焼き鳥、焼肉、温泉卵、刺身、焼き魚など)を1品選んで、それに合わせて、野菜が中心の副菜(サラダ、枝豆、お浸し、煮物など)を2品選びましょう。

インスタント麺におにぎりといった組み合わせは、どちらも主食で栄養バランスが悪いので避け、主食は1品にして、ゆで卵やサラダなどを組み合わせるといいでしょう。

食後のデザートに、ヨーグルトやチーズを選んで、バランスがよくなるように工夫しましょう。

1~2日単位でバランスをとりましょう

どんなに気をつけても、外食やお弁当、総菜の食事では、栄養バランスよく食べるのは難しいときがありますね。

もし、偏って食べすぎたり、不足したりする場合は、その分を次の食事でとるようにして、1~2日単位でバランスを整えましょう。

たとえば、ランチで、スパゲティとサラダのセットやピザなどを食べた場合は、タンパク質が不足しているので、晩ごはんで多めにとりましょう。

また、野菜が不足しやすいので、緑黄色野菜(かぼちゃ、人参、ほうれんそうなど)や根菜類(ごぼう、れんこんなど)をしっかりとるようにしてください。

「妊娠体質をつくるバランスのよい献立」まとめ

妊娠しやすい体質をつくる「バランスのよい献立」として、主食・主菜・副菜」の3つをそろえる方法をご紹介しました。

この方法なら、だれでも簡単に、必要な栄養素をバランスよくとることができます。毎日の献立づくりや外食のメニュー選びの際にも、「主食・主菜・副菜」の役割や組み合わせ方のルールを思い出して、実践して下さいね。

  • 「主食」=エネルギーのもとになる
  • 「主菜」=体をつくる材料になる
  • 「副菜」=体調を整える
  • 「果物・乳製品」=不足を補う
  1. 主食を決める
    ごはん、パン、麺、もちなどから1品を選ぶ。
  2. 主菜(メインのおかず)を決める
    肉、魚、卵、大豆製品(豆腐)を使ったおかずを1品選ぶ。
  3. 副菜(サイドのおかず)を組み合わせる
    野菜、きのこ類、海藻、いも類などを使った小鉢やサラダなどのおかずを2品選ぶ。
  4. 量のバランスも考えて適量を守る
    量のバランスがとれているかを確認して、適量を守って食べる。

「主食・主菜・副菜」がそろったバランスのよい献立で、妊活に必要な栄養をしっかりとり、妊娠しやすい健康なからだづくりをはじめましょう。

【参考URL】
農林水産省「食事バランスガイド」
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/attach/pdf/index-2.pdf
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/division.html
農林水産省「食生活指針」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/shishinn.html