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男性の妊活力を高める食事・栄養素とは【管理栄養士 監修】

妊活で食事に気をつけるのは女性だけでいいと思われがちですが、男性も妊活力を高める栄養素をしっかりとり、元気を保つ努力が必要です。でも、男性は、女性より食事に無頓着なことが多く、食生活が乱れがちで、栄養が偏っている方が多いようです。

そこで、今回は、男性の妊活力を高めるために、どのような栄養素をとればいいのかをみていきましょう。

精子の質を高める食事」、「疲労回復・精力アップの食事」、「ストレスに負けない食事」の3つについて解説します。さらに、避けたいNG食習慣も説明しますので、ぜひ覚えて下さいね!

男性妊活の第一歩として、良い食事を知り、普段の食習慣を振り返ることから始めてみませんか?

精子の質を高める食事

男性の妊活で、とても大切なのが精子の質です。

器質的な問題が無くても、年齢やストレス、食習慣などの影響で、精子の数が少なくなったり、動きが鈍くなったりして、質が低下することがあります。精子の質が良くないと、受精の成功率が下がってしまいます。

精子の質を高める食事で、積極的にとりたい栄養素は『亜鉛、ビタミンA、ビタミンE、DHA・EPA、葉酸』の5つです。それぞれの栄養素について、くわしくみていきましょう。

【精子の質向上】積極的にとりたい栄養素

亜鉛

亜鉛は、男性の生殖機能に関わりが深く、精子を生成し、運動率を上げて質を高める働きがあります。加工食品やアルコールをよくとる人は不足しやすく、精子の減少や性欲低下など、妊活に悪影響を与えます。一度にたくさんとっても十分に吸収できないので、毎日少しずつとるようにしましょう。

カキ・ホタテ・タコ・カニ(水煮缶)・うなぎ・レバー・牛赤身肉・コンビーフ(缶詰)・アサリ・カシューナッツ・アーモンド・煮干し・するめ など
ビタミンA

ビタミンAは、抗酸化作用によって、細胞の酸化を妨げ、精子の質低下を防ぎます。また、細胞の増殖や分化に関わり、生殖機能を維持する働きがあり、不足すると、精子細胞の減少や形成障害が生じる可能性があります。油に溶け出す性質を持つので、油を使った調理や、油と一緒に食べると、効率よく吸収できます。

牛、豚、鶏レバー・あんこうの肝・うなぎ・銀だら・あなご・いくら・人参・カボチャ・モロヘイヤ・ほうれん草・春菊・小松菜・スイカ・ミカン・卵黄 など
ビタミンE

ビタミンEは、ビタミンAと同様に、抗酸化作用によって、細胞の酸化を妨げ、精子の質低下を防ぎます。さらに、ホルモンを活性化し、精巣機能の改善、精子の量を増やす、精子の運動性を高めるなどの働きで、受精力の高い精子を作るのに役立ちます。

アーモンド・うなぎ・サバ・ツナ缶・アボカド・かぼちゃ・モロヘイヤ・大根葉・キウイ・ヘーゼルナッツ・落花生・豆乳・サフラワー油・コーン油 など
DHA・EPA

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚などに多く含まれるオメガ脂肪酸のひとつです。血液サラサラ効果により血流改善が期待でき、精子の劣化を防ぎます。炎症を抑える働きがあり、精子の質改善やダメージを予防する効果も期待できます。体内で作れない必須脂肪酸なので、食事からしっかりとるようにしましょう。

イワシ・サバ・サンマ・ブリ・ハマチ・うなぎ・サバ缶・鮭水煮缶・カツオフレーク缶詰 など
葉酸

葉酸は、妊活中の女性に不可欠ですが、精子数の増加や質を向上する働きがあるので、男性も一緒に摂りたい栄養素です。不足すると、精子に含まれるDNAが損傷してしまうことで、妊娠の確立が低下する可能性があります。葉酸を活性化する働きを持つビタミンB12と合わせてとると、効率的に吸収できます。ビタミンB12は、植物性食品にはほとんど無く、動物性食品の肉や魚介類に多く含まれています。

菜の花・グリーンアスパラ・ほうれん草・モロヘイヤ・春菊・ブロッコリー・枝豆・そら豆・いちご・マンゴー・焼きのり・牛、豚、鶏レバー など

疲労回復・精力アップの食事

疲れていると、妊活への意欲が低下したり、タイミングを逃したりと、妊活へ支障をきたすことがあります。強い疲労感は、体の免疫力や抵抗力の低下を招き、代謝のバランスが崩れ、体調不良につながります。

また、男性の年齢による生殖機能への影響は、女性より少ないですが、体力低下にともなう精力不足は避けられません。

疲労回復や精力アップのための食事で、積極的にとりたい栄養素は、『タンパク質、ビタミンB群、タウリン、コエンザイムQ10』の4つです。それぞれの栄養素について、くわしくみていきましょう。

【疲労回復・精力アップ】積極的にとりたい栄養素

タンパク質

タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、髪の毛など、私たちの体を作るための材料になります。精子の細胞もタンパク質から作られるので、妊活ではとても大切な栄養素です。体を動かすためのエネルギー源にもなり、十分に摂ることで、スタミナ&体力アップが期待できます。タンパク質は、動物性と植物性の2種類がありますが、どちらかに偏ることなく、バランスよく摂るようにしましょう。

動物性:鶏肉・牛肉・豚肉・コンビーフ(缶詰)・卵・チーズ・牛乳・ヨーグルト・マグロ・しらす・いわし など
植物性:豆腐・納豆・がんもどき・大豆・大豆粉・枝豆・いんげん豆・ひよこ豆・そら豆・レンズ豆・練りごま など
ビタミンB群

ビタミンB群は、代謝ビタミンと呼ばれ、エネルギーの代謝をスムーズにして、疲労回復に作用します。神経伝達物質の合成にもかかわり、欠乏すると、睡眠の質が下がり、疲れが取れにくく、集中力や記憶力も低下するので、心身の疲労や不調を招きます。ビタミンB群は、単独では効果的に働けないので、肉や野菜も一緒にバランスよくとることが大切です。

牛、豚、鶏レバー・豚肉・鴨肉・うなぎ・マグロ・カツオ・サンマ・紅ザケ・魚肉ソーセージ など
タウリン

タウリンは、アミノ酸の一種で、疲労回復に効果を発揮します。私たちの体や細胞を正常な状態に戻そうとする作用(ホメオスタシス)があり、健康状態を保つ働きをします。また、肝機能を向上させる働きがあるため、お酒をよく飲む人や疲労感が強い人は、積極的にとるようにしましょう。

カキ・ホタテ・サザエ・アジ・サンマ・イワシ・ハマグリ・シジミ・魚の血合い など
コエンザイムQ10

コエンザイムQ10は、強力な抗酸化作用を持ち、老化防止の救世主として注目される栄養素です。エネルギーの生成を手助けする働きで、疲労の原因であるエネルギー不足を解消します。さらに、精子の質や量を増やし運動性を高めることもわかっています。年齢やストレスによって減少するうえに、食材に含まれる量は少ないので、サプリメントを利用するのもいいでしょう。

肉類・魚類・鶏卵・ブロッコリー・ほうれん草・ごま油・ピーナッツ・大豆・豆腐 など

男性 妊活 食事

ストレスに負けない食事

ストレスは、免疫機能や生殖機能を低下させ、不妊の原因になる可能性があります。ストレスを完全に無くすことは難しいので、ストレスに負けない強い体を作るために食事をしっかりとることが大切です。

ストレスに負けない食事で、積極的に摂りたい栄養素は、『ビタミンC、カルシウム、トリプトファン』の3つです。それぞれの栄養素について、くわしくみていきましょう。

【ストレス緩和】積極的にとりたい栄養素

ビタミンC

ビタミンCは、抗酸化作用が非常に強く、有害な活性酸素により、細胞が酸化するのを抑える働きをします。ストレスは、活性酸素を発生させる要因になるので、ストレスが強いとビタミンCが多く消費されます。ビタミンCが不足した状態では、ストレスの影響を受けやすくなるので、十分に補給する必要があります。ビタミンCは、水に溶けやすく熱に弱い性質があるため、生のままか、短時間で加熱調理するようにしましょう。

赤、黄ピーマン・ブロッコリー・芽キャベツ・ゴーヤ・トマト・キャベツ・ジャガイモ・レモン・柿・キウイフルーツ・イチゴ など
カルシウム

カルシウムは、骨や歯を強くする働きがよく知られていますが、脳の神経の興奮を抑えて、精神を安定させる作用により、ストレスを緩和する働きもあります。ストレスが気になる時は、カルシウムの吸収をよくするビタミンD(魚介類やきのこ類)と組み合わせて、積極的にとりましょう。

牛乳・チーズ・ヨーグルト・煮干し・干しエビ・豆腐・厚揚げ・がんもどき・小松菜・大根葉・切り干し大根・ほうれん草・パセリ・ゴマ など
トリプトファン

トリプトファンは、タンパク質に含まれるアミノ酸の一種で、セロトニンを生成する原料になります。セロトニンは、幸せホルモンと呼ばれ、精神を安定させる作用があり、不足すると、睡眠障害やうつ状態、不安感などが引き起こされます。ストレスで不眠ぎみのときは、就寝前に、トリプトファンが豊富な牛乳を飲むと、脳の興奮が抑えられ、眠りやすくなるでしょう。

牛乳・チーズ・大豆製品・バナナ・ナッツ類・魚・肉・卵 など

男性の妊活にNGの食事とは

男性の妊活で、避けたい食事とはどのようなものかをみていきましょう。ご自身の食生活を振り返ってみて、NG習慣をしていないかチェックしてみて下さいね。

栄養バランスの悪い食事

妊活の基本は、栄養バランスの良い食事を継続してとることです。食生活が乱れて、妊活に必要な栄養素が大幅に不足すると、妊娠を遠ざけてしまいます。さらに、肥満になりやすいので、血流が悪くなり、精子の生成や生殖能力にも悪影響を与えます。

栄養バランスの良い食事にするためには、1食で主食・主菜・副菜・汁物を揃えた「定食スタイル」の献立が理想的。忙しくても、なるべく3食をしっかり食べるようにしましょう。

加工食品、インスタント食品中心の食事

レンジで温めるだけの加工食品や、カップラーメン、レトルトなどのインスタント食品ばかりを食べていると、さまざまな栄養素が不足しやすくなります。とくに、亜鉛が不足しやすく、男性の妊活を妨げる要因になってしまいます。加工食品やインスタント食品は、あまり食べすぎないようにして、魚介類、納豆、ナッツ類などで亜鉛を補給しましょう。

お酒の飲み過ぎ

お酒は、適度に飲む分には問題ありませんが、過剰に飲み過ぎると、精子の質が低下してしまいます。とくに排卵日に深酒をすると、意欲や持続力が下がるので、控えましょう。喫煙も、精子の質を下げるうえに、副流煙は妊活中の女性に大きく悪影響を及ぼすので、控えて下さい。

カフェインのとり過ぎ

コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、適量なら、ストレス解消やがん予防など、良い効果があります。ただし、最近人気の高カフェイン飲料や栄養ドリンクを飲み過ぎると、精子の奇形率が増すという研究結果があります。1日あたり、カフェイン300mg以上(コーヒー5杯以上)は摂らないように気をつけましょう。

「男性の妊活力を高める食事・栄養素とは」まとめ

今回は、男性の妊活力を高める食事とはどのようなものかをみてきました。

男性妊活に必要とされる栄養素については、まだあまり知られていませんが、それぞれの働きを知り、上手にとりいれることで、妊活力アップに役立ちます。

  • 精子の質を高める食事
    積極的にとりたい栄養素『亜鉛、ビタミンA、ビタミンE、DHA・EPA、葉酸』
  • 疲労回復・精力アップの食事
    積極的にとりたい栄養素『タンパク質、ビタミンB群、タウリン、コエンザイムQ10』
  • ストレスに負けない食事
    積極的にとりたい栄養素『ビタミンC、カルシウム、トリプトファン』

食習慣の改善と合わせて、適度な運動や十分な睡眠をとり、アルコールやたばこを控えるなど、生活全体の見直しもできるといいですね。

毎日の食事で、必要な栄養素をしっかり摂って、男性の妊活力を高めていきましょう。

【参考書籍】
成美堂出版「栄養の基本がわかる図解事典」中村丁次監修