「不妊治療の検査って、どんなことをするんだろう?」
「検査にはどれくらいの期間がかかるの?」
これから不妊治療を始めようと思った時、知らないことがたくさんあると不安で二の足を踏んでしまったりしますよね。
そこで今回は、不妊治療を始める時に受ける検査の種類と、検査を受けるタイミングについて詳しく解説してみたいと思います。
不妊治療を始める時に受ける検査
問診【初診時】
はじめて不妊治療のクリニックに行くと、まずは問診からスタートします。
最終月経日や、避妊をやめた時期、これまでの経緯、治療歴、病歴、その他気になっていることなどを詳しく聞かれますので、これらの項目をあらかじめメモしておくとスムーズに伝えられてオススメです。
私の場合は、このタイミングで今後の流れや検査の種類について詳しく教えてもらいました。
可能であれば夫婦そろって問診を受けると、今後の進め方について共通認識が持てて良いかと思います。
内診・超音波検査【いつでもOK】
実際に検査台に上がって子宮や卵巣の状態を調べてもらいます。
内診では生殖器に疾患がないかどうかなどのチェックをし、超音波検査では、子宮や卵巣に問題点がないかどうかをチェック。
子宮筋腫、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などは、この超音波検査で知ることができます。
実際に私は、この検査で子宮筋腫(良性のコブのようなもの)が見つかりました。
全く自覚症状はなかったのですが、子宮筋腫は場所と大きさによっては受精卵の着床を妨げるとのことで、不妊の原因の一つであるとも考えられるのです。
生殖年齢である女性の2割から4割は子宮筋腫があると言われていますので、ぜひ早めに検査しておきましょう。
超音波検査にかかる費用の自己負担額は、保険適用の有無やクリニックによって異なりますが、1回あたりおよそ1,500円から6,000円程度です。
卵管造影【月経後~10日目頃まで】
卵管造影検査というのは、卵管がきちんと通っているかを確認する検査です。
一般的にはレントゲンで行われますが、場合によっては超音波検査も可能とのこと。
検査のタイミングは、月経が終わってから10日目ぐらいまでの間と指定されるので、月経周期に合わせてスケジュールを調整する必要が出てきます。
検査の方法は、造影剤という液体を子宮腔内から注入し、レントゲンで卵管を観察するというものです。
卵管がきちんと通っていれば造影剤は卵管の先からこぼれますが、つまりがあると途中で止まってしまいます。
ただ、軽いつまりであれば、造影剤が通るときに開通することがあり、検査後の数ヵ月は妊娠しやすくなると考えられています。一石二鳥ですね。
検査にかかる費用はクリニックによって異なりますが、5,000円から15,000円程度です。
血液検査
不妊治療のための血液検査では、月経周期の中で、卵胞期、排卵の前後、黄体期など、さまざまな時期に採血して、血液の中に存在するホルモンの量を調べていきます。
検査する項目はクリニックによってさまざまですが、血液検査にかかる費用は全部で20,000円から30,000円です。
それでは、主な血液検査を紹介していきましょう。
LH-Rテスト【月経3日目前後】
LH-Rテストは、不妊のもっとも基礎的な検査です。卵胞を育て、排卵に導くFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)の量が正常か確認するものです。
検査のタイミングとしては、月経3日目前後。
ホルモンの量は月経周期の中で大きく変動しますが、不妊治療では「基礎値」と呼ばれる月経3日目前後の値が重要とされています。
PRL(プロラクチン)検査【月経2日目~5日目】
脳の下垂体にあるプロラクチン分泌細胞が作るホルモンの量を見る検査です。
プロラクチンは、妊娠中や授乳中に必要なホルモンの1つですが、妊娠していない時に高すぎる値を示していると、排卵が妨げられて妊娠しづらくなります。
検査のタイミングは月経2日目~5日目と、少々タイトなスケジュール感です。
プロゲステロン(P4)検査【排卵の5~7日後】
黄体化した卵胞から分泌されるプロゲステロンというホルモンの量を調べる検査です。
プロゲステロンは、妊娠を維持するために活躍するホルモンの1つ。このホルモンを調べることで、その周期に卵胞が正常に成長し、きちんと排卵したのかどうかなどがわかります。
検査のタイミングは、排卵の5日~7日とされています。
AMH検査【いつでもOK】
AMH(アンチミューラリアンホルモン、もしくは抗ミューラー管ホルモン)検査は、卵巣の中にどれくらいの量の卵子が残っているのかを推測するための検査です。
体外受精を行う時に取れる卵子の数と相関関係があると言われています。そのため「いずれは体外受精をしよう」と思っている人で、この値が低い場合は早めに検討を始めた方が良いということになります。
検査のタイミングはいつでもOKです。
風疹の抗体検査【いつでもOK】
風疹(ふうしん)とは、風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。
妊娠20週頃までの妊婦が、この風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群の子供が生まれてくる可能性が高くなると言われています。
ですので、妊娠前には必ず風疹の抗体があるかどうかを検査し、もし抗体がなければ予防のために夫婦どちらもワクチンを打っておく必要があります。
また、風疹ワクチンを接種した後は少なくとも2ヵ月は避妊が必要となります。
一刻でも早く不妊治療を進めたい!という場合でも、こればかりはどうしても待たなければいけない期間になりますので、妊活を始めようと思った時点で早めに風疹の検査をし、ワクチンを接種しておくのがオススメです。
その他の検査
その他、異常受精にかかわる核に対する自己抗体を調べる抗核抗体検査や、流産しやすいと言われる抗リン脂質抗体を調べる検査、卵管癒着などにかかわるクラミジア感染症を調べる検査、精子を異物とみなしてしまう自己抗体の有無を調べる精子不動化抗体検査などの血液検査もあります。
いずれも、検査を受けるタイミングはいつでも大丈夫ですので、医師と相談しながら進めていきましょう。
「不妊治療を始める時の検査の種類とタイミング」まとめ
今回、不妊治療を始める際の基本的な検査について紹介しました。
検査の種類がたくさんあって驚いた人も多いのではないでしょうか。
女性の検査項目はたくさんあり、なおかつ月経周期のそれぞれの時期にしかできない検査というのも多く存在するため、一通りの検査にかかる期間は約1ヶ月ほどです。
このように、不妊治療ではいろいろな角度から、妊娠を妨げている原因を調べていきます。
まずは、妊娠を妨げているものが何なのかを知ること。
そうすることで、妊活・不妊治療の進め方もだんだんと定まっていきますよ。