「結婚してしばらく経つけど、子供ができない。不妊治療はいつからはじめるべきなのか」という疑問をお持ちではありませんか?
現在は共働きで毎日忙しく働いている女性も多いので、不妊治療のスタート時期のタイミングをあらかじめ知っておきたいということもありますよね。
そこで、今回は、不妊治療はいつから始めるべきなのか、年齢別に目安をご紹介していきます。
一般的に、不妊治療では35歳以上が「高齢」とされているため、34歳未満の場合と、35歳~39歳の場合、そして40歳以上という3つに分けて解説したいと思います。
不妊症の基準とは?
避妊をやめて1年間妊娠しなければ不妊症
「避妊をしているわけではないのに、なかなか妊娠しない」「もしかして不妊症?」「不妊症かどうか、病院で検査した方が良いの?」と、いろいろな声が聞こえてきそうですが、実は健康な男女が避妊をせずに性生活を行っているにも関わらず1年間妊娠をしなければ、もうそれは「不妊症」なのです。
不妊症は病気ではないので、何か明確な原因があるというわけではなく、医学的には、不妊症かどうかの基準は「妊娠しない期間」だけです。この期間については国によって異なりますが、日本では、1年間妊娠していない状態のことを「不妊症」と呼んでいます。
なぜ日本では不妊症を判断する期間の基準が「1年間」なのかというと、一般的に避妊をしていない男女の大半(約8割)が1年間で妊娠すると考えられているからです。
不妊治療はいつから始めるべき?
ここまで、不妊症の定義についてお伝えしました。
「じゃあ、避妊をやめてから1年間性生活を行っても妊娠しなかった場合に初めて受診すればいいのか」というと、一概にそうとは言えません。
なぜかというと、妊娠のしやすさには女性の年齢による大きな差があることも確かだからです。
女性が妊娠できる年齢は、閉経の10年前までと言われています。
個人差がありますが、一般的には50歳~51歳頃に閉経するため、その10年前である40歳~41歳頃が妊娠できるリミットと考えられます。
月経が来るのなら妊娠できるような気がしてしまいますが、排卵が終わってからも10年ほどは卵の周辺組織がホルモンを作り、月経は続きます。
つまり、実際には、閉経の10年前には排卵が終わっているという場合が多いのです。
そう考えると、たとえば30歳で結婚した人が「不妊症かどうかもわからないから、まずは1年間様子を見てみよう」というのと、40歳で結婚した人が同じように1年間様子を見るのとでは、かなり状況が変わってくるということがわかります。
緊急度が高いのは後者ですね。
具体的には、34歳未満の場合は「1年間妊娠しなければ」、35歳から39歳の場合は「半年間妊娠しなければ」というのが受診タイミングの目安となります。そして40歳以上の場合は「子供が欲しい」と思った時にすぐ受診するのがオススメです。
それでは、年齢層ごとに詳しく説明していきましょう。
不妊治療のタイミング
34歳未満の場合は1年間妊娠しなければ受診
34歳未満の場合は、避妊をやめてから1年以上妊娠しなければ、不妊治療を検討してみましょう。
自覚症状がなくても、検査をしてみたら、子宮筋腫や子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など、不妊の原因につながる問題を抱えていたという場合もあります。
「若いから大丈夫だろう」と、何もせずに不妊期間が長期化してしまうのは得策ではありません。34歳未満の場合、1年間妊娠しなければ受診してみることをおすすめします。
不妊治療のタイミング
35歳から39歳の場合は半年間妊娠しなければ受診
35歳から39歳の場合は、避妊をやめてから半年間妊娠しなければ不妊治療を検討しましょう。
女性が自然妊娠する確率は30歳を超えるころから徐々に低下していき、35歳頃からは急激に低下するとされています。
また、自然妊娠だけでなく、人工授精や体外受精などの場合でも35歳を境に妊娠率が低下することがわかっています。
見た目がどんなに若くても、年齢を重ねていくごとに卵巣機能は衰えていき、卵子の数も減っていきます。だからこそ1年と待たずに、半年間妊娠しなければ受診しましょう。
医師から「もっと早く来てくれていれば・・・」と言われることはあっても「1年経っていないからまだ来ないでください」と言われることはありませんので、安心してください。
不妊治療のタイミング
40歳以上の場合は、子供が欲しいと思ったらすぐに受診
40歳以上の場合は、子供が欲しいと思ったらすぐに不妊治療を検討しましょう。
先ほどもお伝えしたように、個人差はありますが、一般的には50歳~51歳頃に閉経するため、その10年前である40歳~41歳頃が妊娠できるリミットと考えられています。
中には20代で閉経してしまう人や、50歳前後で妊娠するという人もいるため、一概には「何歳まで」ときっちり決まっているわけではありませんが、卵巣の中に残されている卵子の数は年齢と共に確実に減っていき、子宮機能も低下していきます。
そして、不妊治療の専門医が「高齢だから」ということで不妊治療の終了を提案する場合は42歳、43歳ぐらいになる場合が多いと言われています。
なので、40歳以上で子供が欲しいと思った場合は、可能性を少しでも高めるために一刻も早く受診することが大切なのです。
妊娠・出産がゴールではない。これからの人生のために今できることを
妊活に取り組んでいると、ゴールを「妊娠すること」や「出産すること」にしてしまいがち。
でも、実際は妊娠・出産がゴールではありません。
無事に妊娠、出産ができれば、今度は子育てという新たなステージがスタートするのです。今できることは先延ばしにせず、前向きに1つ1つ取り組んでいくのが良いのではないでしょうか。
「不妊治療を始める年齢・タイミング」まとめ
今回は、不妊治療はいつから始めるべきなのか、目安についてお伝えしました。
最後にポイントをまとめると
- 避妊をやめてから1年間性生活を行っても妊娠しなかった場合は「不妊症」
- 34歳未満の場合は1年間妊娠しなければ受診する
- 35歳から39歳の場合は半年間妊娠しなければ受診する
- 40歳以上の場合は、子供が欲しいと思ったらすぐに受診する
年齢以外に、もし何らかの理由で性交がうまくいかない場合もすぐに受診しましょう。
不妊治療を始める時期で悩んだ時、この記事が参考になれば幸いです。